行政書士試験には5肢択一、多肢選択、記述といった出題形式がありますが、近年いずれの形式においても判例から出題される傾向があります。
出題数も増えていたり、条文よりも長文である場合が多いこともあったりと、試験合格には判例を押さえておくことはもはや必須と言えます。
では試験対策上どのように判例を勉強していけば良いのかを見ていきます。
行政書士試験を突破するために判例は重要?
行政書士試験突破のためには判例はとても重要です。
特に行政法、憲法、民法では判例から出題されることが多々あり、その重要性がより高まります。
行政法や憲法に関しては深く判例を勉強していないと得点が難しいことさえあります。
そして近年は全体的に出題数も増加傾向にあるので、条文よりも重点的に勉強するべきです。
そもそも判例とは実際に裁判所が特定の訴訟事件に対して下した判決例のことですが、5肢択一、多肢選択、記述のあらゆる方向から問われるため、この判例の攻略は試験突破には欠かせません。
判例問題に当たっていく上では、学習した法律知識が実例ではどのように用いられているかということも意識しなくてはなりません。
それには過去問やテキストを使ってどう出題されているのかを把握していく必要があります。
また、過去問やテキストだけでは不安という場合に応じて判例集もあります。
それだけ判例は重要だとます。
判例だけを学習したいという方は、判例集を買って読み込むのもいいと思います。
合格点を取るための判例の勉強法は?
優先順位1:過去問題から基準を把握する
では判例の勉強はどのようにしていけば良いのでしょうか。
まず第1に考えられるのは過去問から攻略のヒントを探るということです。
テキストでは1部しか載っていないことが多く全てを網羅することは難しいです。
そこで過去問を利用するわけです。
過去問には判例がそのまま載っているためです。
そして判例にもいくつか種類があり、結論を問うものやその判断基準を問うものがあったりします。
判例学習においては事案、判旨、結論といった流れを押さえることが重要です。
判旨という部分に注目すると、どのような基準でそのような判決が下ったのかということに焦点が当たることになります。
過去問を解きながらその判断基準を探っていくのです。
この時に重要なのは、やみくもに解くのではなく判例が採用された判断基準が書かれているので、そこを把握していくということです。
つまり出題傾向をはかるというよりも、準拠を探ることに注力していきます。
この判決に至ったのはこうした判断基準があってのことだと根拠を見つけることです。
過去門は判例の宝庫なので、こうした訓練をしていくと過程を意識することになり、論理的な考え方ができるでしょう。
このような考え方ができるとひっかけパターンにも気づきやすくなったりもします。
原則と例外、判断基準の有無といったことに意識を向けて学習しましょう。
優先順位2:判例の結論
判断基準ではなく結論に焦点を当てる勉強もあります。
判断基準を考えることが過程なら、こちらは文字通り結果、つまりどういう事案があり、どういう裁判判断基準があってその判決が下ったのかという流れの最後の部分を考えます。
基準を探った結果、得られた結論や特例的な判断を把握していきます。
その判例独自の珍しい判断がされることもあるからです。
そして、判例の試験問題の中には結論だけで選択肢が絞れるような問題もあります。
結論部分を押さえればそれだけで正解に近づくこともあります。
ですので、こういう事案ではこういう判決になったというところを把握しておくだけでも違います。
しかし、当然ながら結論だけで全てを判断はできないので、判旨の部分にもしっかりフォーカスしながら結論も押さえていくことが一番です。
判例で大事なのは読解力
判例の勉強をする上でとても大事な要素として、読解力を挙げることができます。
判例というのは法律が絡んでいるため、専門用語や特殊な判決は当たり前ですし、言い回しや判断基準も複雑であることが少なくありません。
よって、どうしても日本語を理解する力、文章や語彙を正しく理解する力、つまり読解力が必要になるのです。
また試験問題で出される文章も長文になっていることが多く、そこからいかに早く正確に論点、要旨を掴むかがポイントとなります。
法的な知識よりも前に国語の文章問題を解いている感覚で読み進めることで打開できるポイントもありますので、長文に慣れておくことは非常に大切です。
読解力を高めるためには語彙力、要約力、思考力を養っていくことが重要と言われています。
なるべく多くの言葉に触れたり、文章の要約をして論点を把握してみたり、考えながら読んだり聞いたり話したりすることが読解力を鍛えることにも繋がってきますので、日頃から心がけてみるといいでしょう。
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